●シルクロードへの装備と携行品 衛生への知識と抗体 シルクロード諸国は乾燥しているため比較的衛生環境は良いです。しかし日本や欧米諸国ほどではありません。事前の準備などは大事です。 ■自然環境について 砂漠や草原地帯の夏は乾燥していて非常に暑いです。熱射病で体調を崩す旅行者も多いです。キルギスやタジキスタンなどの高山地帯は高 山病に注意しましょう。高山病は息が切れ、頭痛や吐き気を催します。高山地帯はもとより砂漠や草原地帯の冬は大変寒いです。また積雪で道 路封鎖されることもあるので時期と旅程を検討します。イランは肌を見せる服装を嫌います(男性でも半ズボンは注意されます)ので風通しの良い 服をもっていくと良いです。 ■衛生状態について 全体的に乾燥しているため比較的悪くありません。タジキスタンのパミール高地は汲み置きの水を飲用にしていますので、肝炎やウィルス性の 下痢などにかかりやすいです。中央アジア諸国の水道施設は整っていないことが多いので上水道に下水が混じったり泥が混じっていることが多い ので沸かしても飲めないことがあります。イランとトルコの水道は殺菌されているため安全に飲めます。しかし硬度が異なるため短期旅行者は飲ま ない方が無難です。 ■感染症について 2008年現在、シルクロードと呼ばれる国々で入国に際し黄熱病の予防接種を要求している国はありません。ただしA・B型肝炎、破傷風や狂犬 病のリスクは存在しています。 もし予防接種を受ける場合は、渡航の半年くらい前から接種のスケジュールを組みます。1回で済まない予防接種もあります。 またワクチンは 物にもよりますが1本1万円を越えるものもあるのでフルセットで受けると5万円くらいします。予防接種の相談は最寄りの衛生協会や検疫所へど うぞ。防げるリスクは防ぐのがいいと思います。 ■個人的な予防接種の総括 シルクロード諸国だけなら黄熱は必要ありません。破傷風はスリ傷などから感染するためリスクは高めです。日本では幼児期に三種混合を受け ているはずなので渡航前に1回の追加接種をすれば足りると思います。A型肝炎は水などから感染するのでリスクは高いです。追加接種が必要 なのでスケジュールに注意です。狂犬病は噛まれなければ大丈夫ですが発病したら致死率100%です。シルクロード諸国はトルコのイスタンブー ルを除き、野犬は街中でも多く、人を襲うものもいます。犬だけでなくコウモリなどもNGです。ワクチンが不足しているため接種を受ける場合には事 前に問い合わせていく必要があります。また接種の中では最も高額です。性病やHIVのリスクは非常に高い割合で存在しています。 そのほかの感染症は自分の注意でリスクを大幅に減らすことができるとおもいます。 ガイドブックあれこれ ■ロンリープラネット(英語版) ほとんどの国をカバーしている情報の塊です。写真や著者の主観をほぼ排除し、通貨・言葉・気候・宗教・国民性などのジェネラルインフォメーシ ョンや主要都市の地図及び宿、交通機関などに特化しています。シルクロードを旅行する場合は次のもので足りると思います。各国版のほか、ダ イジェスト版があります。有用なダイジェスト版は@CENTRAL ASIA(カザフスタン、キルギス、タジキスタン、ウズベキスタン、トルクメニスタン)、A MIDDLE EAST(トルコ、シリア、イラン…その他中近東)、BGEORGIA ARMANIA AZERBYJAN(グルジア、アルメニア、アゼルバイジャン)などで す。 ■地球の歩き方 日本語でわかりやすいです。地球の歩き方はバックパッカー旅行というより観光旅行向けの本です。写真や著者の主観が多いためイメージがわ きやすく、歴史や観光情報は大変充実しています。なお、観光向けではない地域はカバーしていません。各国版があります。 ■旅行人ガイドブック 旅雑誌旅行人の別冊ガイドブック、旅行人ノートは日本語の旅行ガイドの中でも屈指の情報量を誇ります。乗り合いジープで国境越え、ビザの現 地取得などが記載されているため観光旅行にはそぐわないかもしれません。日本語であることにくわえ主観も盛り込まれているためイメージはわ きやすいです。アジア横断(イラン、トルコ…その他南アジア)とシルクロード(カザフスタン、キルギス、タジキスタン、ウズベキスタン、トルクメニス タン、アゼルバイジャン、グルジア、アルメニア)が有用です。 お金のあつかい @郷に従う…財布が一般的でない国では財布を持ちませんし、もちろん人前ではお金を出しません。 Aありか分散する…ポケットに常用小口を用意し、それ以外についてはマネーベルト・靴底・ズボン下ポーチ・鞄・ホテルの金庫などに保管します。 B形を分散する…小口として現地通貨と小額ドル紙幣を用意し、それ以外については両替用のドル紙幣・アメリカンエキスプレス(アメックス)のド ルTC、VISAとMASTERのクレジット、国際キャッシュカードを用意します。ちなみに管理人は地銀組合のバンクカード(PLUS・VISA系列)と三 菱東京UFJ銀行のカード(CIRRUS・MASTER系列)を利用しています。 TCとはトラベラーズチェックの略で契約店で現金と同等に使えるほか、提携銀行やアメックスのオフィスで現金化することができ、紛失や盗難に 遭っても再発行できます。ただし、シルクロード諸国で買い物で利用できる店は少なく、換金もその国のメインバンクなど限定された場所でしかで きない上、手数料も高めです。 クレジットカードや国際キャッシュカードの預金口座は複数に分けます。シルクロードの国々では中国・カザフスタン・キルギス・タジキスタン・トル コでは問題なくATMが利用できます。場所によっては手数料こそ高いものの現地通貨だけでなくドルを現金で引き出すこともできます。イラン、ウ ズベキスタン、トルクメニスタンではATMが機能していないか、国内専門のため利用できません。
これだけは絶対に死守!という「命金」を用意して隠すと安心ですね。
かばんの中身 シルクロードの旅に持っていくと良いものをまとめました。日本から持参した必須アイテムには★印を、現地調達できる必須アイテムには◎印を 付けています。無印は必須ではないものです。★印と◎印だけなら、20リットル程のかばんで足りると思います。管理人は下記のアイテムを買っ たり差し上げたりしながら45リットルのかばんに詰めて持ち歩いていました。
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