●シルクロード諸国の食べ物


キルギス共和国のごはん

ビシュケク ヨーグルトスープ 80ソム(約240円)
加糖していない酸味の強いヨーグルトに米を加えて煮、バジルオリーブオ イルを垂らしたもの。写真右下。高いカフェで頼んでしまったが、酸味があ まりに強く、グジュグジュした米の食感がイマイチ日本人の口には合わな い。ポタージュスープではないので要注意。
ビシュケク サムサと総菜パン 各25ソム(75円)
中心街のデパート周辺の広場の露店で売られているファーストフード。ビシ ュケクではこうした総菜パンで食事を済ませるケースが多い。栄養補給は フルーツで。ちゃんとした食事をしたい場合は自炊の方が安く上がるかもし れない。味は見ての通りで予想のつく範囲。
ビシュケク ベシュバルマク 65ソム(195円)
バスターミナルで食べたキルギス料理。細切れの羊肉とモツと玉ねぎの 塩スープを、平打ちでコシのないきしめんにかけたもの。比較的脂が少な く、あっさりとした味付けだった。パンまたはナンはサービスで付く。チャイ は10ソム(30円)。
ビシュケク ビビンパ 50ソム(150円)
同じドミトリーの旅人とシェア飯することもある。今日は韓国人の彼の主導 でビビンパを作った。キルギスは野菜やフルーツがとても安い。ちなみに前 日は1人50ソムで親子丼もどきを作った。シェア仲間や滞在のタイミングが 合うならチャレンジ。
チョルポンアタ ジャーリラグマン 73ソム(220円)
中央アジアの定番ラグマンを中国の臭い醤油で炒めた物。最近は随所で 中華風の調理方法が見受けられる。もともとコシのない麺なので、汁気が ない分いくらか良いかもしれない。葉っぱはセロリの葉。あんまりおいしく ないけれど、マズくもない。いってみれば炒麺。
カラコル 名称不明 73ソム(220円)
トマトとカブと赤ピーマンのラグマン汁にご飯を乗せたもの。敢えて米を入 れなくとも…。正直な感想としてコシのないラグマンの麺を入れたほうが幾 分マシな一品。このときは猛烈な空腹で何でも食べられた。
カラコル アシュランフー 20ソム(60円)
軽食。いわゆる冷やしラグマン。スープは普通のラグマンよりも酸味が強 い。香りのよいネギのような香草を散らしておりサラサラと食べられる。白 いものはゼラチンでできたトコロテンのようなもの。総合的にもトコロテン感 覚。ピロシキと一緒に食べて昼食にした。
カラコル ピエルヌィ 105テンゲ(320円)
ワンタンスープ。小龍包に近い羊肉わんたんをアッサリダシのスープに浮 かべ、ロシア風サワークリームスメタナを垂らしたもの。カザフのピエルヌィ と同じとは思えないくらいこちらはかなり物寂しい。
カラコル ボルシュ 55ソム(170円)
ロシアの代表料理ボルシチ。中央アジア各国は旧ソ連の国々であるため ロシア料理がどこでも食べられる。あっさりとしたミネストローネにパセリと スメタナを浮かべたもの。脂っぽいキルギス料理に飽きたらどうぞ。
カラコル ブリゾーリ 80ソム(250円)
オムレツ。キルギスに来て初めて一品料理的なものを食べられた。ロシア 料理かもしれない。具はスメタナで和えた角切りトマトとキュウリを揚げたラ ムスライスでくるんだもの。付け合わせは炊いたソバの実パスタジャガイ モ。とてもおいしいが余りに重たいので胃もたれを起こしてしまう。
タムガ ビェリグリッブ(きのこ) 60ソム(190円)
イシククリ周辺の村落で見られるきのこの塩漬け。きのこはキルギス民族 はあまり食べないため、ロシア系民族が路上で販売している。レモングラ スのような葉っぱとスライスにんにくと一緒に煮詰めた海水のようなコクの ある塩水に雑多なキノコを漬け込んでいる。かなり塩辛いがビールに合う。
タムガ 乾燥のし果実 10ソム(35円)
イシククリ周辺では果実がそこかしこになっている。それらを練って伸して 乾燥させたもの。保存食だろうか。あえてひと手間かけてマズくしているよ うな気がした。酸味が増し苦味も増し、まぁ敢えて食べる必要もない。それ よかそこらの木からもいで生のままかじった方がおいしいのだ。
イシククリ周辺 果実 タダ
イシククリ周辺の村落の木にはうざったいほどの果実が生っている。洋ナ シ、プラム、黄桃、アプリコット、山ブドウ、りんご等々…。もちろん販売用に 栽培している場合もあるが、一声かければ分けてもらえることが多く、買わ ずにいくらでも食べられた。手入れがされていないものでも甘い。
タムガ ケスミェ 150ソム(480円)
タムガのゲストハウスの夕食。これに温かいチャイ、自家製ジャムとパン、 トマトサラダなどが付く。タムガの夜は夏でも冷え、温かい料理がおなかに 染みる。ガラのようなダシのきいたスープにマカロニ羊肉トマトを入れ、ネギ のような香草を散らし、多少の脂身を浮かべた一杯のどんぶり。
タムガ ブローチカ 一袋35ソム(120円)
キルギス風のパン。普通のパンとの違いがわからないが、うまいかマズイ かで言ったら後者になりそう。スカスカパサパサした食感。ただし甘味がか なり強く、KFCのビスケットのような感覚でもそもそと食べることができる。
ビシュケク・オシュ街道 クムス 10ソム(30円)
キルギス名物の馬乳酒。強烈な匂いと酸味にノックダウンしてしまう。ヨー グルトなんて生ぬるいものを想像して口にしたら、1口啜っただけで吐き出 さざるを得なくなります。アルコール度数はかなり低め。殺人兵器。
ビシュケク・オシュ街道 乾燥チーズ 値段不明
乾燥チーズというより、乾燥クムスを団子にしたようなもの。もはやゲロの 味にしか感じられない恐ろしいシロモノ。後味が残り口内が腐臭まみれに なってしまう。これがおいしいと思えるようになるまで、相当な期間を要しそ うだ。殺人兵器。
ビシュケク・オシュ街道 ジャルマ 10ソム(30円)
クムスと同じ匂いがしたため躊躇したのだが、飲んでみると意外にマイルド な味わい。カマンベールチーズドリンクのような感じ。とはいえ、あえて飲み たいドリンクではなかった。なお、後味はやはりゲロ。
オシュ ビシュテクス 60ソム(180円)
定番の一品定食。羊肉ハンバーグに目玉焼きを乗せ、米、ソバ、パスタな どの炭水化物を付け合わせたもの。オシュは食べ物には困らない。量的に は満足できるけれど何度も食べたい料理ではない、が他が思い当たらな い。
オシュ マントゥ 50ソム(150円)
この地域の定番料理のマントゥ。付け合わせの玉ねぎとトマトが良い感じ。 マントゥやラグマンは繰り返し食べても飽きが来にくいうえ、失敗することは ないのでついつい頼んでしまう。
オシュ シャシリク(つくね) 一本10ソム(30円)
オシュは新疆の影響も多く受けており調理方法も輸入されている。なかで もつくねのシャシリクはつなぎに玉ねぎなどが練り込んであり美味。ただ焼 くだけが料理じゃないのだ。
オシュ ラグマン(新疆風)45ソム(140円)
新疆の影響を強く受けたオシュの料理の代表は何といっても新疆風ラグマ ン。決定的な違いは麺のコシ。野菜たっぷりのぶっかけ汁も新疆スタイ ル。まぁ、とてもおいしい。
オシュ すいか ひと玉20ソム(60円)
日本では1980円はしそうな中玉でもこの値段。オシュに行くならすいかを 食べなさいとキルギス人に言われたとおり試してみた。持ってずっしり割っ て納得、ぎっしり詰まって甘い汁があふれ出る良質のスイカ。ぺろりとイケ る。
ビシュケク アジア風サラダ 60ソム(180円)
キルギス人といっしょに食事に行って、やっとキルギス人が普段たべる料 理を味わうことができた。それにしてもサラダに牛肉、皿の下に溜まる油 …。おいしいのだけれどびっくり脂信仰。
<キルギスのグルメ事情>
キルギスではイマイチぱっとする料理には巡り合うことができなかった。

キルギスの料理で特徴的だったのは全体的に脂っぽいということだ。これは山岳国家で脂肪分を大量にとる習慣が昔からあったためである。

キルギス人と話をしていても脂を食べて強い体を作らないと生き残れないという脂信仰はいまだに根強く残っているのだ。

そうした考えから、たいていレストランやカフェ等で頼む料理には脂が多めに使われている。脂が多い方がおいしく見え、かつ、豪華に見えるのだそう だ。こうした感性が必然的にキルギス人には刷り込まれている。

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