●シルクロード諸国の食べ物


タジキスタン共和国のごはん

ムルガーブ ショルポ 5ソモニ(150円)
タジクというよりカザフ・キルギス系民族の伝統料理。タジクのパミール高 原に住む人々の多くはキルギス系の山岳民族なのだ。羊肉とジャガイモと 玉ねぎのポトフ。あっさり塩スープ。脂身と骨は欠かせない調味料のひと つ。ナンをちぎって入れても良い。
ムルガーブ カトゥーシカ 5ソモニ(150円)
羊肉とジャガイモと玉ねぎを炒め煮にしたもの。良く分からないスパイスで 色を付けているが、基本的な味は塩と生姜。シンプルながら、それゆえの 素材のおいしさがある。これをおかずにしてナンを食べるわけだから、トマト の一つでもかじりたくなる食生活だ。
ムルガーブ カトゥシカピュレ 3ドル(330円)
ィブライムのゲストハウスの夕食。カトゥシカはジャガイモ、ピュレとはピュー レのこと。家族の食事に混ぜてもらっただけなので、上記の夕食代は支払 っていない。ゆでたジャガイモに羊肉ミンチと玉ねぎのみじん切りをショウ ガで炒めたモノをのせ、クチャクチャ混ぜて食べる。ショウガ味はおいしい。
アクバレック ルイーバ 7ソモニ(210円)
国境を越えてくる中国トラック運転手が必ず立ち寄るという魚レストランの 一品メニュー。湖でとれる魚をぶつ切りにし、塩と小麦粉を水で溶いただけ の衣をつけて一気に揚げる。カリカリして香ばしいのだが単調な味わいで 飽きる。
ブルンクール 民家の朝食 2ドル(220円)
タジキスタンパミール高原の一般家庭の朝食。米をミルクで茹でたミルク 粥に砂糖やジャムを入れて食べる。これに茶とナンと固まった油がセットに なる。クッキー、飴やチョコレートがお茶に付いてくる糖分中心の朝食スタイ ル。
ランガル 民家の夕食 3ドル(330円)
同じくパミールの一般の夕食。ソバの実で作ったポロフ(ピラフ)。最初の一 口は香ばしいのであるが、あまりに量が多いうえに具が一切ないため飽 き、最後の一口はキツい。味は塩と脂のみ。
ダルシャイ 民家の朝食 2ドル(220円)
民泊の朝食。何らかの穀物の粉を砂糖水で練って蒸したもの。お粥に近い がこちらはもっとねっとりとしている。脂を垂らしている上に甘いので、ねっ とり感がそのまま腹の底に沈んでいくような感じの朝食である。
イシュコーシム ショルポ 4ソモニ(120円)
トマトベースの塩スープにこってり羊脂を浮かべたもの。具は羊肉人参ジャ ガイモ玉ねぎ大麦で、ネギのような生の香草を散らしている。マズイ。表現 するなれば、脂トマト塩炭水化物味。いやぁマズイ。ちなみにショルポとは スープの総称。
ホールーグ タイ風焼き肉 10ソモニ(300円)
ロシア料理のカフェで頼んだ一品。タイ風とは何ぞやと思っていたが細切り 牛肉をトマトとキュウリと玉ねぎで炒め、パプリカで香りづけしただけのシン プルな焼肉だった。シンプルゆえ素材の味が殺されずに済んでおり、食べ られる代物だった。
ホールーグ アラマットルブリュ 12ソモニ(360円)
ロシア料理のカフェで頼んだ一品。チキンのチーズソースソテーと言うから 期待していたが、チーズは脂の味しかせず、また玉ねぎもトマトもニンニク も生で臭いわ辛いわなんとやら。何もしないでチキンに塩ふってもらえた方 がありがたかった。
ホールーグ チャイ 無料
タジクで飲まれるチャイには緑茶と黒茶(紅茶)の2種類あるが、いずれも ホットで砂糖やジャムを加えて飲むのが普通。しかし家庭では紅茶にミル クと油と塩を加る飲み方も一般的。お茶スープのような感覚でナンと一緒 に朝食にしたりする。
ホールーグ チキンイエローペッパソテー10ソモニ(300円)
閉店間際のカフェで急きょ拵えてもらった一品。いままでタジクで食べた料 理のどれよりもおいしかった。ペルーのイエローペッパーのような香辛料で 炒め煮にしており味がしっかりしみていてとてもおいしかった。骨ゴリゴリ。
サルギタシュト ミャーサ(肉) 7ソモニ(210円)
ホールーグから20時間の乗合バンでドゥシャンベに向かう途中の町にて。 肉とショルポ(ポトフスープ)とポロフ(油ピラフ)しかない峠の食堂。羊臭さ 満点で肉々しく、肉が食べたい時には満足な一品。塩、赤ピーマン、玉ね ぎ、ニンニクでシンプルなうまさ。臭み消しにレモンか香草が欲しいところ。
ドゥシャンベ フルーツ 1キロ5〜10ソモニ(150〜300円)
9月に入りリンゴや洋ナシが安くなっている。北半球で四季もありフルーツ の旬や種類が日本に近いのだ。バナナは高級、マンゴーなどは売ってい ない。内陸の乾燥した気候特有のフルーツも多くザクロなどが珍しい。パミ ールではリンゴ洋ナシアプリコットが村の木に大量に生っており買う気には なれない。
ホジャンド カトゥレトゥ 3ソモニ(90円)
目抜き通りのセルフ式オープンカフェにて。カトゥレトゥとはハンバーグのこ と。オカズと好きな炭水化物(ソバの実、米、マッシュポテト、スパゲティな ど)を注文する。ソースは基本的にトマトベースで味が同じ。モソモソしたハ ンバーガーのパティのような食感。目玉焼きが乗ればビシュテクス。
ホジャンド ピーマンのドルマ 5ソモニ(150円)
セルフ式バザール食堂。カトゥレトゥに加えピーマンの肉詰めを発見したの で思わず追加注文。今回の炭水化物はスパゲティとフライドポテト。肉詰め にはひき肉と玉ねぎと米が詰まっておりなかなか美味。だけどソースはい つものトマトベース。商人たちはナンを持参して肉詰めだけ頼んだりしてい た。
カイラククム湖 お弁当 4ソモニ(120円)
ホジャンドのバザールで用意したお弁当。ナン、トマト、ピーマン、キュウ リ、リンゴ、チーズとドライソーセージ。チーズは塩分と脂分が多め、ソーセ ージは羊肉なのでこれまた臭みが強い。パミールの旅では大きな町にし か店がないのでこんな食事はしょっちゅうだった。思い出す旅人の食糧。
ホジャンド ハルバ 200グラム3ソモニ(90円)
バザール露店にて。トルコから伝わった。白ゴマペーストで風味をつけた綿 菓子をギュウギュウに押し固め、カボチャ種を散らす(トルコはピスタチ オ)。甘味はさほど強くなく、緑茶のお茶うけなどに合いそう。なお、うしろ に写っているオレンジ色の物体はべっ甲(砂糖)の塊。砕いて料理やお茶 に使う。
ホジャンド スナック 0.5ソモニ(15円)
ホジャンドに限らず中央アジアの都市部の商店の到る所に売られているラ スク系スナック。パッケージにИKРА(イクラ)と書かれている。そう、写 真からお判りの通りイクラ味だ。イクラの油分で味をつけた生臭いスナック だがビールのつまみに割とイケる。この他ビーフ味などあるが、肉臭い。
ホジャンド ジャーリミャサ(炒め肉) 9ソモニ(270円)
目抜き通りのセルフ式オープンカフェにて。マッシュポテトにチキンソテーと 米つなぎの肉団子を乗せ、おなじみのトマトソースをかけた安食堂の定番 スタイル。ワンパターンな味。日本の醤油も同じか。鶏肉からダシが染み 出して味に変化が生じていた。骨なし鶏肉は高級なのでやや高めだが美 味。
<タジキスタンのグルメ事情>
安食堂の食事は基本的に中央アジア共通で、ラグマン(トマトスープうどん)、ショルポ(塩スープ羊肉ポトフ)、ポロフ(油ピラフ)、シャシリク(羊肉、鶏 肉、羊肉つくね串)だ。タジクではシャシリクに必ず添えられる生の玉ねぎに酢を大量にかける。これが玉ねぎの辛味を和らげ、かつ肉の臭みも消す効 果があるのでなかなか良かった。マントゥ(羊肉水餃子)やピエルヌィ(羊肉ワンタンスープ)はキルギス系民族の多いパミールで味わう機会があるもの の、西の都市部ではあまりお目にかからない。

都市部のカフェではロシア料理も味わえるがどれもマズかった。

家庭料理について総じて言えばやはりマズイ。調理方法が単調で技術が発展していないこと、ダシを取るという文化がないということ、スパイスの知識 が乏しいことによると思われる。

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