第四話 異文化不交流 |
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悪名高いトルファン(吐魯番)の観光ウイグルの手口の話をしよう。
夜行バスが新疆ウイグル自治区に入域し、トルファンに到着したのは朝の7時前だ。全身の
けだるさと、まとわりつくような朝のヌメった熱気の中、フラフラとあてもなく歩いていると日本
語で元気よく話しかけられた。
「オハヨー!こっちこっち、おいで。火焔山、ブドウ園、交河故城!」
恰幅の良い悪役レスラーのようなごつい男だ。眉毛が濃く、眉間は隆起し、厚ぼったい唇が
重たく顔の下半分にぶら下がる。軽妙な軽い口調で日本語を操るこのクセモノこそ、なんぞ
はからん、トルファンの安宿をうろつく有名な客引き『日本語使い』なのであった。
日本語使いも客引きのプロだ。的をするどく射抜いたうえで釣り針のカエシのように引っかけ
る。彼は忙しそうに鳴り響く携帯電話に向かって、ウイグル語で手下のタクシーたちの配車を
しながら、オレにトルファン観光地図を広げて見せた。何を隠そうオレは観光をしにこの地に
立ち寄ったのだ。的は射ていた。
「荷物なんかトランクに入れておけばイイヨ。急ぐなら、今日の夕方にウルムチ行きのバスあ
るよ。ちゃんと時間までにバスターミナル送り届けてあげる。ほかのお客さん待っているから
決めてよ。8時に出発なんだよ。」
「まぁ、待って。朝ごはんも食べていないし。少し落ち着いて考えさせてよ(それにオマエなん
か信用できないし)。」
「あーいーよ。このホテルで朝ごはん食べてきていいから。10元(150円)ね。考えたら8時
前にまたこの駐車場においで。あ、カバン置いてっていいから。これアタシのカードだよ。ご
飯は10元だけ払えばいいよ!」
オレのちゅうちょの原因ひとつひとつをあっさりと取り除くように、日本語使いからはカギ縄が
投げられる。まったく、観光地の日本語使いにはロクなのはいない。
そりゃ、言葉がわからないところで日本語を耳にしたらオアシスのような心安さはあるけれ
ど、彼らにしてみれば日本語なんて釣り餌だ。さして、日本人は獲物。
彼らと「心の交流やスキンシップ」を期待するのはお門違いである。そこに一抹の寂しさを感
じてしまうのは、残念ながらいたしかたないところではあるが。期待してフられたときの疲労
感よりは、一抹の寂しさの方がマシだろう。
ホテルのレストランのビュッヘの内容はかなり充実していた。150円であれば物価の安い中
国とはいえ、まったくお買い得だ。ここぞとばかり珍しい料理を腹に押し込め、牛乳をコップ一
杯流し込むと、一息つけた。ウェイター君に灰皿を要求すると、「床でいいですよ」と、中国ら
しい返事が返って来る。
踏ん反りながらタバコをふかし、ふと渡されたカードを見てみるとどこかで見覚えがあった。
敦煌に観光に来ていた学生4人組から紹介された「トルファンの優良観光代理店」のカードと
同じものだった。
自己正当化は完了した。と、タイミングをはかっていたかのように先ほどの日本語使いが「ま
だー。もう出発だよー急いで!」と食堂まで迎えにきた。
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トルファンは新疆ウイグル自治区でも有数の観光の町である。西遊記の玄奘三蔵にまつわ
る伝説が盛りだくさんだ。孫悟空などの妖怪一味は後世で脚色されたものだけど、観光とし
てはキャッチィな素材になる。
本日は乾季に珍しく雨で絶好の観光びより。普段は日除けのない郊外を出歩こうもんなら脳
天がトロけて1時間ともたないだろう。だから今日のこの天候は即決に味方した。
同乗しているのは中国でフランス語教師をしているフランス人カップルだ。助手席にオレが座
り、後部座席にカップルが座ってツアーはスタートした。
オレもわずかながら中国語はわかる。フランス人も中国在住だ。運転手はウイグル人である
が、中国語ももちろん話せるはずだ。われわれはこれから始まるツアーを雰囲気良く過ごし
たいので運転手に話しかけたが、仏頂面の運転手は口を横一文字に結んだまま、コミュニ
ケーションを敢えて取ろうとしなかった。
外国人を嫌ってコミュニケーションをとりたがらない現地人はたまにいる。また、そういう人間
には外国人を陥れようとする輩が多い。オレはどんな手をつかってくるものかと多少なりとも
身構えた。
ブドウ園に到着したときのことだ。おもむろにアクセントの悪い中国語で運転手がいつになく
しゃべりだした。よく聞き取れないが、フランス人によると、「ブドウ園のレストランで食事をす
ると、入園料が無料になる」とのことらしい。
「オレ、メシいらないよ、腹いっぱいだし」と、英語で言うと、「入場料は80元(1200円)だ
し、食事の値段を考えても得だと思うのだが…?」と、フランス人。「ま、いいよ、オレは食わ
ないで待っているけど、もしそれで入場料を要求されたらその時は払うから」と言っている間
にブドウ園前庭のレストランエリアに誘導された。
ウソ臭いウイグル民族衣装を着た少女のいるレストランは、庇の下にゴザを敷いて、プラスチ
ックのイスとテーブルを並べたような設備だった。ブドウとスイカがサービスされた。運転手は
「これは無料だから食べていいぞ」と念押しした。まるで自分の店のようだ。
運転手はしきりに「食え、さぁ食え」と促しながら、少し離れた別のテーブルでモクモクとひと
り食事を始めた。オレは土産物屋などを見ながらフランス人がラグメン(汁うどん)を食べ終わ
るのを待っていたが、「少し味見する?」などとフランス人が気を遣っているところに、例の運
転手が「ツーツゥバ、ァア!」とメニューを広げて視界に壁を作った。
「オレ、ほんとうにおなか空いていないんだよな…」とメニューを見て、一番値段の安い2元
(30円)のカワップ(焼羊串)を1本、頼むことにした。フランス人も食事がしやすいだろうと思
ったのだ。
「なんだ、もっと高いもの選べ。ポロ(ピラフ)も頼め。そんな安いのじゃ入場料がタダにはなら
ないぞ!」
運転手は無理やり追加注文しようとしたので、オレはキッと睨めつけ、しぶしぶ串をもう1本
頼むことにした。2本もあればフランス人にも少し分けてあげられる。もっとも、フランス人のう
ち女はベジタリアンで、肉に手をつけようとはしないのだが、いくらか食事の雰囲気は良くな
っていた。
そこからだ。コントが始まったのは。
いざ食事を終えて会計をしようとすると、微妙に値段が予想より高い。安っぽい派手な民族
衣装を着た少女に「フルーツはウェルカムサービスだって言っていただろう。払わない
よ!?」とあきれ顔で言うと、同じくあきれ顔の少女はメニューを広げて見せた。
そこには「カワップ3元(45円)」と書いてあった。
せ、セコすぎる…。これにはオレもフランス人も笑ってよいのか怒ってよいのかわからなくなっ
てしまった。日仏顔を向い合せにしたまま、一瞬、固まって動けなくなった。
「さぁ、メシが終わったんだったら早く入場してこい。さぁ、行け!」遠巻きに茶をすすりながら
運転手がけしかける。このブタ野郎…、本当にしょうもねぇな。
レストランエリアを抜けて入場口に行くと、係員に入場券の提示を求められた。さすがにもう
驚きはしなかったが、いぶかしげな表情といわれなき疑惑を、善良な中華国民に投げつけら
れるのは日本代表、フランス代表としても忍びない。
「もう一度行ってみろ、入場できるから!行けよ。え、他の中国人も入場券を買っていた?じ
ゃぁ、ポロ(ピラフ)を食べていないから入場できなかったのかもしれないな。お前らの料理は
安すぎた、お前らのせいだ。」
フランス人の表情を見ると、「ブタ野郎の耳に念仏」、とでも言いたげに目をそらした。そして
彼らは観光の意欲も消沈しかけたように見えた。
たかだか数十円のキックバックのためにアッラーの御心に背けるほど、食うものに困ったよう
な体格はしていない。要するにブタ野郎だ。コミュニケーションを拒絶するばかりか、オレらを
人とも思っていないようである。
人でなければ黄金律は値わず、とは。なんとも手厳しい。
興味のない観光施設をスキップしていたら、意外と早くツアーは終了し、フランス人の宿泊す
る朝の安宿の駐車場に到着した。そこには例の日本語使いがニコニコした表情で待ってい
た。
フランス人は日本語使いに今日の感想を述べるでもなく無表情のまま料金を支払う。その手
元を見てみると金額は1人80元(1,200円)である。彼らは足早に町の中心へ消えていっ
たが、つぎに日本語使いはオレに料金を請求した「150元(2,250円)ね」、と。
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「なんでオレだけ彼らの倍も払わなければいけないんだよ!」
「それはアナタが最後の客で2人分を負担しなければツアー出せないからよ」
「客が足りないのはオマエの営業ミスだろう?オレが負担する理由がない!」
「ちがうよー、アナタ今日ウルムチに行くから急いでいたでしょ?だから出発したよ」
「オレは2人分出すから出発してくれと頼んだ覚えはないぞ?」
「先に言わなかったのは悪かったケド、観光してウルムチ行けるから良いでしょ?」
「その観光とやらもヒドイったらありゃしない!あの運転手のブタ野郎はウソつきだ!」
「ウソついたの?それは知らないよー。彼、予定プランは全部回ったって言っているよ?」
「もう知らん、オレは150元なんて払わない!」
と、フランス人に倣って手に持っていた100元札を日本語使いの胸ポケットにねじ込んで立
ち去ろうとしたら、日本語使いはトランクにあるオレのバックパックを質にとってなおこうのた
まった。
「前の日本人4人は1台で500元払ったよー。ボッていないよ!アナタたち1台310元だ
よ!?安いよ!」と、オレに『優良』とオススメした敦煌の観光学生たちの例を引き出した。な
るほど、彼らはボられている…。日本人はそういう眼で見られるのは仕方ないのだろうか…。
ウイグル人と日本人の関係ってそうなのだろうか…。
「ウイグル人、オレ会うの楽しみにしていたんだよ…。素敵な文化をもった良い人たちだと聞
いていたんだよ。」
「アタシも日本人良い人ばかりだから好きだよ(チョロイし金持ちだし)。」
「でもさ、こんなことなら、オレ、ウイグル人が嫌いになりそうだよ…。トルファンもさ、憧れて遠
くからはるばるやってきて、楽しみにしていたのに、せっかくの思い出が嫌な思い出になっち
ゃうよ。」
「…(今日は疲れるなぁ)。」
「頼むよ…。良い思い出に終わらせてよ。日本に帰った後も、トルファンは面白かった、ウイグ
ル人は親切だったって友だちに自慢させてよ…。気持ち良く終わりたいんだよ。」
「…。」
「…これが、オレのお願いだよ。」
「…確かに最初に言わなかったのは悪かったよ。」
「…。」
「120元。もう、運転手に払うお金もなくなっちゃう。一台280元がギリギリ。これは、アタシ
からのお願いよ。」
同時に息を吐き、互いに目を見つめ合って、呼吸を合わせて空気を同時に吸い込んだ。そう
してどちらからともなく2つの手は近づいて、握手した。
「ホーッ」とお互いに一息つくと、日本語使いは「あーぁ、もー、日本人、本当にウルサイヨ
ー!もー。」と笑いながら、例のブタ野郎をじゃれるように蹴っ飛ばした。そしてウイグル語で
何やら言うと、「彼にちゃんとバスターミナルまで送るように言いつけたから。お金もいらない
から。元気でね、ありがとね!」と別れをオレに告げた。
ブタ野郎は運転席からのぞき込むように後部座席のオレを見ると自分の食べていたお菓子
をすすめ、どこか吹っ切れたように今日初めての笑顔を見せた。そして、ターミナルのバスに
乗り込もうとするオレに向かって親指を上に向かって立てた。
こんな人間臭い一面を見ると、どうしても憎めなくなってしまうのが、オレの甘いところでもあ
り、自賛するところでもあった。
トルファンでは、日本語使い、ブタ野郎、安っぽい民族衣装のレストランの少女以外にも多く
の親切なウイグル人に出会った。彼らもまた観光従事者だった。コミュニケーションを阻害す
るものは、観光スレだけではない気がした。
■ ■ ■ C ■
新疆ウイグル自治区の区都ウルムチに到着してまず目につくのは、新しい高層ビルが並
びきれいに整備された道路やおびただしい数の自動車たちだ。すべてがキレイでハイテク
で、まさに文化大革命後の勢いのある中国そのものである。
だがいっぽうウルムチには悠久なる大陸文明の風は強く吹かず、ウイグル文化も区分けさ
れたウイグル人居住区にスラム街の如く残されるのみ。
中央よりやや外れにあるウイグル人居住区の、大通りに面している広場はもっぱら漢人観
光客向けの商業施設がたちならぶ。新疆国際大バザールもそのひとつだろう。裏通りはや
や薄暗く、日本人のオレも漢人と間違われれば舌打ちをされたりぶっきらぼうにボられたりす
ることもまれではない。
その一方で日本人だとわかるとガゼン友好的で、「お前の国は良い製品を世界に届ける良
い国だから、日本人は友だちだ」と、こうくるのだ。
市の中心部にある中央人民公園に来てみればそこはまったく漢人たちの憩いの場となり、
新疆ウイグル自治区という特殊な立地であることをふと忘れさせる。
看板など公共設備はウイグル語と中国語が併記されているが、両者の生活の拠点はこうし
てみると明らかに区別されていた。
各地方に古来住まう少数民族があるようように中国の広い国土にはもともと固有の文化が
あって、それが中国に編入された。そもそもウイグル族は、トルクメン族やウズベク族などと
同系統のトルコ系遊牧民の一派なのである。それが、たまたま前者が中国に編入され、後
者が旧ソ連に編入されたにすぎない。
ウイグル人からすれば、宗教も文化もまったく異なる中国に支配されている理由はないこと
だろう。そして圧政を敷かれ、鉱山や天然資源などを無尽蔵に掘り返されているといったとこ
ろか。
確執そのものは理解にたやすいが、血に染みついた怨念は日本人には理解しがたい。日本
という国は、単一民族のまま世界的にも最長老クラスという珍しい国家なのである。エゾや
琉球は異文化といえ、いまこの時代においてアイデンティティの主張あれど、何人だと問わ
れて「日本人」と答えるのに違和感を感じる人は少ないのではなかろうか。
エゾのアイヌは、全滅させられた。琉球が、割と独立した地位を保っているのは単純に距離
の問題なのかとも思うけど。ともかく、いま、日本は平和だ。
そして日本は異教徒が日常生活で混在している点も特徴的である。町のいたるところに教
会はあるし、それぞれの家庭に宗教あれど、市民生活を営むにあたってなんら影響しない。
ある市営葬祭場では、神道・仏教・その他の宗教ごとに、それぞれの儀式に対応できる設
備が準備されているくらいである。
■ ■ ■ ■ D
ウイグルはと言えば、宗教がそもそも中国と異なる。中国政府もイスラム教こそ国家転覆
の火種とまで考えているようだ。またウイグル自治区の独立運動を繰り広げているゲリラ集
団にはトルキスタン・イスラム党と名乗るものがある。彼らの後ろ盾は宗教。
私見ではあるけれど、ウイグルスタンは、旧ソ連から独立を果たした中央アジアの5スタンの
ようにはまだなれないと思う。ウイグルスタンはあまりにも中国制度にガップリ四つを組みす
ぎているというのが漠然と浮かぶ理由の一つだ。また、この国際経済社会で一人前を名乗
るには、ウイグルスタンの生産性だけをとってみても未熟感を拭うことができない。そんな状
態で独立しても、タジキスタンのように辛酸をなめることは必然だろう。
宗教や文化の違いだけで、国家は独立できない。強行独立国家となってますます周辺諸国
と良好な関係が築けるほど、世界は平和ではない。それより、圧政を変え、風潮をただし、よ
り柔軟に世を渡り歩くことこそが、独立、もとい、アイデンティティの回帰への着実な前進なの
だと思うのだが。
いかにも単一民族国家らしい理解のない発想であるけど、私見を止める。
ウルムチのユースホステルは中心部の漢人の多く住まう地域にある。そこでは若いスタッフ
が民族や出身を問わず働いていた。もともと外国人相手の商売ではあるけれど、宿の外の
市街の雰囲気とはギャップを感じたものだ。
20歳のマイラは大学に通いながらここでスタッフのアルバイトをするいまどきの女子大生で
ある。そしてウイグル人だ。彼女は髪も隠さないし肌も意図的に隠す風はない。英語が堪能
で、おしゃべり好きだ。
欧米人の旅行者たちとよくコミュニケーションをとっているからなのか、オープンにスキンシッ
プも取りたがるので、オレも彼女と話をする時間はデレデレしてしまったものである。
「お酒飲む?今晩一緒に飲もうよ。」
「飲まないー。日曜日とか、お休みの日には飲むよ!でも、ちょっぴり。」
人差指と親指でつまむようにしてジェスチャーしながら、「エヘッ」と肩をすくめてみせた。
「マイラは、イスラム教徒?」
「アタシ、ムスリマだよん!」
彼女はウイグル語を表にこそあまり出さないが、れっきとしたウイグル人であり、イスラム教
徒である。それでいて柔軟でしなやかでバネのあるパワーはその笑顔にあふれ、今日も新
しい風を吹かしている。
そうして、若い風は新しい歴史を運んできてくれるのであろうか。
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第四話 異文化不交流@
トルファンは新疆ウイグル自治区のオアシス都市の中で
も最もツーリスティックな都市のひとつ。
火焔山とは西遊記で玄奘三蔵が芭蕉扇を用いて鎮火し
たという燃え盛る山。トルファン名所。乾燥気候とオアシ
ス地下水脈を組み上げた水道施設カレーズを利用してト
ルファンではブドウの栽培が盛んである。また、レーズン
も名産。ブドウ園は風土テーマパークとして主に中国人
観光客に人気のスポット。
ウルムチは新疆ウイグル自治区の北西部に位置する区
都。世界で一番海から遠い町と言われているが、その
反面非常に発展しており近代的。カザフスタン、ロシア、
キルギスなどの各方面へ向かう人々が交差する交通の
要所でもある。
観光地の日本語使いにも、良い人はいる。たとえば敦
煌で個人のツアーエージェントを営む隋オヤジなどは、
日本人の人気者。
第四話 異文化不交流A
トルファンは中国一暑い場所としても有名で火州との異
名をも持つ。乾季の気温は50度を超えることもざらにあ
る。
現在の中国は羽振りが良く外国語スクールは売れ筋産
業なのだ。なお、こうした欧米諸国の外国語教師は中
国語を話すことができるけれど、その多くは漢字を解さ
ない。
ウイグル人はウイグル語を日常的に話す。
中国の観光スポットの入場料は現地の生活水準とかい
離していて爆発的に高い。たとえば敦煌の莫高窟は外
国人料金で180元(2,700円:外国語ガイド付)で、現
地人価格も150元(2,250円)であるが、現地人も当
然のように支払っている。
ラグメンは中央アジアからウイグルにわたって広く食べ
られる定番うどんラグマンのこと。中国語ではバンミェン
(拌麺)と呼ばれる。
「ツーツゥバ!」=食え、さぁ食え!
カワップは羊肉の串焼きケバブ(肉)のこと。中国語では
カォヤンーロゥ(火考 羊肉)と呼ばれる。
ポロは中央アジアからウイグルにわたって広く食べられ
る定番ピラフのこと。中国語ではズヮファン(抓飯)と呼
ばれる。
ベジタリアンとは動物の肉を食べない人のこと。発展途
上国では宗教・経済的な理由によることが多く、欧米諸
国では思想・主義的な理由によることが多い。なお、日
本では定着していない。
第四話 異文化不交流B
宣言的な主張を表現するため『のたまう』と言う単語を用
いている。
四人乗りタクシーを6時間程度チャーターして、斡旋料
や燃料費を加えると相場。なお、個人で3時間程度チャ
ーターした場合は100元。
運転手にとってオレは、ここにきてようやく人間扱いされ
たようだった。
第四話 異文化不交流C
第四話 異文化不交流D
タジクは首都でさえ旧ソ連の匂いしかしない。国民一人
当たりのGDPは年間2万円足らずだという。山岳部に
は、統計にすら反映されない少数民族が、いまなお自
給自足の生活をしている。
ムスリムはイスラム教徒(男性)のこと。ムスリマは特に
女性をさす。
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