●シルクロード諸国の食べ物


トルコ内アナトリア地方のごはん

ドゥバヤズット エフェスビール 2.25リラ(150円)
国境を越えてすぐに口にしたのがビール。ひと月ぶりに口にしたビールの
のど越しの爽快感と言ったらない。エフェスは旅行者に有名なトルコ産ビー
ル。有名なだけあって日本人の口に合う。後味はすっきりしているが辛す
ぎず程よい苦味が特徴。
アクダマール島船着場 トルキッシュカフェ 2リラ(130円)
ウァン湖の目玉のひとつアクダマール島船着場の前には湖を臨むレストラ ンがあった。内装もなかなか雰囲気が良い。豆の粉で直接淹れたお馴染 みのトルコ珈琲。粉を沈めて上澄を啜るやつ。香ばしさ満点で、強めに加 糖されており体が暖まる。
アクダマール島 チャイ 無料
親切な島の管理人さんに「お腹がすいた」と言ったら私のためにわざわざ
パンとチャイを用意してくれた。本当に優しい。チャイは日本の缶コーヒー以
上に普及している国民飲料。街を歩けば50歩ごとにチャイ屋を見かける。
通常は0.25リラ。イランのものより香りが弱く渋みが強い。強く煮出したチャ
イやかんとお湯やかんが分かれておりコップでブレンドして薄める。
タトウァン 自作サンドイッチ 材料費1.5リラ(100円)
鈍行列車の長期移動のため売店で購入した食糧で。パン(0.25リラ)を丸 ごと使用。胡椒と塩味の強い350gビーフソーセージ(3リラ)は欧州の香り がして美味。これを5分の1ほど刻み、野菜(キロ1リラ)を加え、常備してい るケチャマヨ胡椒で味付け。下地にはクリームチーズ(0.25リラ)を塗って防 水。ビッグマック2、3個分くらいの特大サンド。5食続いた
タトウァン 紙巻きたばこ 無料
早朝の始発駅で発車を待っていた乗客のおじいさんがテーブルも使わず
器用に手で巻き唾で糊付けしてご馳走してくれた。無論かなりキツいのだ
が、糸のように極細に刻まれたタバコの葉の醸す煙は雑味が少なく妙なヤ
ニ臭さもなく、格調高い香りがして大変おいしかった。嗜好品へのこだわ
り。
マラティヤ ミックスナッツ 100g0.5リラ(35円)
トルコの街角にあふれている軽食売店でタバコと同じように売られている のがナッツ類。管理人は豆が大好きなのでなるべくいつも持ち歩きたい。 ピスタチオやクルミは高く、ヒヨコ豆やかぼちゃ種は安い。ミックスナッツは 単品買いより若干割安なのだ。腐らないから旅のお供にうってつけ。
マラティヤ ジーキョフテ 2リラ(130円)
酸味と旨味の濃いねりモノのことで、レタスなどの野菜と一緒にうす焼きの
ナンで巻いて食べる。ねりモノの正体はなんとトマトパスタ。細かく砕いた
生パスタと挽肉やトマトピューレなどの材料を練ったもので少しピリ辛の味
付け。ジーキョフテとは「非加熱・調理していない」という意味だそうだ。
マラティヤ パン 1つ0.4リラ〜(25円)
街角のあちらこちらで見かけるパン屋にて。イスラミックシルクロードの終 点で初めてナンがパンに変わった。トルコを旅した人の中で「パンの味が 忘れられない」という人もいるほど実はパン大国。クルド風のナンやピデは 専門店(ピデ屋やクルド人街の商店)で別に売られている。
マラティヤ 焼き栗 100グラム1リラ(70円)
山の町マラティヤの特産。管理人の旅した10月末は黄葉真っ盛りのアナト
リア地方も秋の味覚の旬だった。バザールに並ぶ柿は食べたけれど、栗を
食べたのは日本にいる時も含めて本当に久しぶり。本物の焼き栗で焦げ
目が香ばしい。シブ茶が欲しくなってくる。
マラティヤ ドナリ 1本3リラ(200円)
トルコのファーストフードの定番スタイル。回転肉のドネルケバブ、フライド ポテト、レタスやピクルスなどのを食感の良い生地でロールしたもの。生地 はコシがあるけれど堅くなくしっとりしていて日本では味わえない食感。タ レもBBQと照り焼きの中間のような味で良い。1本でお腹いっぱい。
マラティヤ オスマン青年の家の朝食 無料
オスマン青年の自宅の朝ごはん。一般的な家庭の一般的な朝食を味わう
ことができた。左の赤いものは昨夜の香辛料ポテト炒め煮の残り、右の白
いものは油脂分の濃いチーズ滓のようなもの、上の黒いものは焼きシシ
唐。何でもパンに挟んで食べる。家族全員揃っての朝食スタイル。
シャンリウルファ サルマ 1リラ(70円)
正式名称ゼイティンヤァルサルマドゥルマ。ねりモノを葡萄の葉の塩漬けで 小指ほどの大きさに巻いている。ねりモノは雑穀を濃いトマトベース、細切 野菜、ピリ辛油で調味した感じ。食堂が店じまいにお惣菜を安売りしてお り、他にナン挟み肉、ピラウ(トルコ風ピラフ)、ジーキョフテなどがあった。
シャンリウルファ バクラウァ 無料
トルコでは町のあちこちにスイーツ屋があり良く見かけるのはこのお菓子。
基本的にはパイなのだが、下地を激甘の蜂蜜汁に浸し、砕いたナッツ類を
挟み緑豆の粉でトッピング。街を歩いていたら、通行人からウェルカムスイ
ーツだと言われプレゼントされた。サプライズとはまさにこのこと
シャンリウルファ ラフマジュン 1.5リラ(100円)〜
アナトリア名物クルド料理。トマト肉ベースのねりモノをナンに塗ってホイッ と渡される。テーブルにはナイフと小さなまな板が各席に用意されており、 バットに入っている野菜を好きに刻んみレモンを絞って巻いて食べる。ミン ト、クレソン、玉ねぎ、赤唐辛子(ピーマンではないので注意)、トマトなど。
シャンリウルファ アーシューレ 1リラ(70円)
総菜屋で購入。スープだと思いきやなんとびっくり甘い甘いフルーツ粥。ヒ
ヨコ豆・大豆・空豆・大麦などの穀類、ブドウ・杏などのフルーツ、黒ゴマを
甘く煮詰めたもの。中国の甘い缶詰お粥よりはマシで味のバランスは整っ
ているけれど、穀類が甘いのは日本人的にはナシな感じである。
バットマン クルディッシュチャイ 無料
東南部アナトリアはクルド人が大変多く、お茶に誘ってもらえる機会も多 い。トルキッシュチャイは濃く煮出した渋めのチャイをお湯で割るが、クルデ ィッシュはお湯で割らないことが多く、イラン同様香りが強い。オスマン文 化というよりペルシャに近いアラブ文化圏の匂いがする。
ディアルバクル クルディッシュナン 無料
ネジャットさんのご近所のケーキ屋にて。モチモチして歯応えが良いが固く
なく美味。他にチュレックと呼ばれるバサバサした美味しくないナンもある
が、クルディッシュナンは中央アジア諸国で味わったナンに近いものが多
いことがわかる。
ディアルバクル クルド人家庭の夕食 無料
ネジャットさんのご近所さんの家でもてなし料理を頂いた。強めの塩バター 風味の鶏ジャガ「スルパタテス」、ナスとピーマンのシンプルな炒め物「パト ゥリジャン」、強めの塩バターチキンライス「ピラウ」とサラダ。バター味が美 味しい。
ディアルバクル ドゥルマ 無料
ネジャットさん夫人の手料理を味見。いわゆるロールキャベツと肉詰めピー
マンで、中身は挽肉と米。これをトマトスープでじっくり煮込んである。タジ
クやウズベクで食べた肉詰めとほとんど同じだが、味付けはこちらの方が
遥かに高等。
ディアルバクル クルド人家庭の朝食 無料
ネジャットさん宅で頂いた朝食。手作りジャム(苺・杏・桜桃)、ヨーグルト、 漬物。ヨーグルトはナンに付けて食べるのだが、これが意外とイケる。漬物 はピクルス風で一緒に漬けたしし唐がピリリと旨かった。全て自家製。
カンガル行列車 旅人食 材料費1リラ(70円)
ネジャットさんの家族に列車で食べなさいと持たされた漬物瓶づめ、塩の
濃いキツめのチーズ、ドライソーセージ、そこらで買った野菜と果実。こんな
モノばっかり最近食べているのでたまには温かい食べ物が食べたい。漬
物瓶が嬉しい。
ディブリィ タワクシシ 5リラ(350円)
トルコに入国して初めてロカンタ(大衆食堂)を利用した。鶏胸肉を唐辛子 とニンニクで炒めたもの。赤いペーストは微塵切りの生玉ネギとトマトと唐 辛子の辛いサルサ。ニンニクの香りが高く、久々の温かい食事にホッとす る。
カルス ゼブゼリケバブ 5リラ(350円)
ホテルに併設されているロカンタにて。イモ人参インゲンナスなどの野菜と
牛肉をサイコロ切りにしてトマトベースの脂っぽいスープで煮込んだもの。
中央アジアの不味いトマト油汁に似ているが、こちらはパンに付けると丁
度よい。パンは食事を頼むと必ず無料で付いてくる。少し割高だけれどこ
れが相場。
カルス タワクケバブ 1.5リラ(100円)
ホテル併設ロカンタのサービスセット。サンドイッチにアイランと呼ばれるヨ ーグルトドリンクが付いてくる。タワクとは鶏肉のことで、たいていドネルケ バブには鶏肉と牛肉の二種類がある。これをトマト、パセリ、玉ねぎと一緒 にパンにはさんだりナンに巻いたりするのが典型的なファストフード。
<アナトリア地方のグルメ事情>
トルコ料理は全般的に野菜や肉をトマトベースで煮込んだものが多い。食事の際にアイランと呼ばれるヨーグルトドリンクが飲まれる。

パンには大きく3種類あって、いわゆるフランスパン(サンドイッチや一般の主食に用いられる)、ピデと言うもっちりした食感のピタ(おかずを挟んだりひ
き肉を塗ってピザ風にしたりする)そしてうす焼きナン(ケバブや野菜などを巻く)がそれぞれ食べ分けられている。このうす焼きナンは、すこし厚みがあ
って弾力のあるものと、平べったくて弾力のないものがあるが、いずれもトルコ西部ではあまりお目にかかれない。

クルディッシュチャイは強く煮出した茶をお湯で割るトルキッシュチャイよりも香りと味が強めでイランのチャイに近い。また彼らはパンのことをナンと呼
び、あまりフランスパンは食さない。彼らのオリジナルのクルディッシュナンは中央アジアのもちもちしたおいしいナンに近い。野菜に米やひき肉を詰め
て煮たドゥルマ(トルコ料理でもある)などは中央アジアと共通する料理である。ピクルスもよく食べられており、家庭で漬けることもしばしばだ。

中央アジアやペルシャの食文化と近い流れを汲んでいることがわかるが、味付けにバターを使うなど味覚も多彩で調理技術はこれらよりも高いと言え
る。

目次へ