シルクロード写真 11.トルコ共和国
外務省:危険度色分け地図(参考)

●概要

シルクロードで結ばれた最後のイスラムの国トルコは
中東、地中海、欧州、カフカスの各文化圏の交錯点
です。雑多な文化がチャンポンになっている訳ではな
く、色んな匂いを香らせつつもトルコらしい色を見事に
放っています。

エキゾチックという言葉でしか表現できない古代より
しばしば世界の中心になったという風格を、ここに垣
間見ることができます。

経済的には欧州文化圏に属していながらその宗教は
イスラムであるというある意味珍しい国です。宗教美
術も独特です。

トラブゾン ・サフランボル ・首都アンカラ ・カッパドキア ・コンヤ ・パムッカレ ・ベルガマ
チャナッカレ ・イスタンブールウォーキング ・イスタンブ−ルツーリズム


トラブゾン

黒海を臨むアヤソフィアやスメラ修道院などの教会や修道院も多く、トルコとは思えない町の雰囲気を作っています。冬期は16時半には日没します
が、活気にあふれ、また比較的温暖なため、街が眠りに就くのは22時くらいです。

黒海に面した港町です。ギリシャ統治のもと古くからカフカス諸国、ロシア、ヨーロッパ、ペルシャの中継点として栄え、様々な文化が交錯するいかに
も港町らしいところです。パブではロシアの女性がタバコをふかしています。


サフランボル

谷あいの小さな町です。その昔サフランが群生していたのでその名がつけられました。渓谷からの河川が町の地下を流れ中心近くで交差します。

旧市街にはトルコの昔ながらの伝統住居が保存修復され密集しており、町全体を彩っています。旧市街全体が世界遺産に指定されました。

小さいながらツーリスティックな街で外国人に対する門扉は広く開け放たれています。反して素朴で親しみ易い町の人々やのどかな生活の雰囲気
に癒される旅人は多く、リピーターも多いと聞きます。


首都アンカラ

ここアンカラはアナトリア文化の中心としてイスタンブール以前の時代に栄え、現在のトルコ建国時に遷都されました。街中のいたるところにローマ
時代、アッシリア時代、ヒッタイト時代の面影が見られます。

アナトリア博物館ではアナトリア文明の財産が数多く保管されており必見です。近郊にはヒッタイトの首都ハットゥシャシュ遺跡があります。

トルコ建国の父アタテュルクこと初代大統領ムスタファ・ケマルの廟があり、併設されている博物館ではトルコ建国の歴史を深く知ることができます。


カッパドキア

カッパドキアとは風によりボウル型に削られた盆地全域を言い、美しい馬の大地という意味を持ちます。奇岩の景勝地で、世界遺産に登録されてい
ます。

風が大地を削る際に残された固い地盤が奇岩として林立し、色彩の異なる断層や谷の織りなすグラデーションも特徴的です。奇岩や断層には岩窟
の住居やキリスト教会が数多く残されています。

盆地内には集落や渓谷が到る所に点在し、大雑把に見て回るだけでも数日を要します。中心となるギョレメには岩窟ペンョンが軒を連ねます。


コンヤ

イスラム神秘集団のメヴラーナ教団が本拠を構える町です。荘厳なつくりのモスクが立ち並び、広めの大通りを赤い路面電車トラムヴァンが走りま
す。

メヴラーナ教団は町の観光の主要な文化遺産として積極的に保存されています。メヴラーナ文化センターで毎週土曜に行われるスーフィ(司祭のよ
うな聖職者)たちの独特の旋舞が有名で、12月前半には毎日見られます。

メヴラーナ博物館は独特の神聖な雰囲気を持ち巡礼者があとを絶ちません。収蔵されている、非常に装飾性の高い古いコーランの数々も必見で
す。


パムッカレ

小高い山脈に囲まれた白綿の城という名のこの小さな町のシンボルは、世界最大の天然の石灰棚です。

丘の頂上から温泉が噴き出し、これに含まれる石灰質が棚状に凝固して神秘的で幻想的な風景を生み出しました。白い石灰棚にはいくつものプー
ル状の窪みがあり、そこにたまった温泉が夕日に照らされる様は絶景です。

古くはローマのペルガモン王国の温泉療養都市として栄え、石灰棚のある丘のさらに上にはローマ時代の遺跡ヒエラポリスが広がります。


ベルガマ

ローマ時代に栄えたペルガモン王国の首都だった町です。現在の町自体は小さいのですが、町を取り囲むようにして遺跡が残されています。観光
地としては有名ではありませんが、その分のんびりした空気を味わうことができます。

首都アクロポリスは町の北の山の頂上より、ふもとにかけて広大な範囲に広がっています。保存状態は良く、急斜面に建てられた劇場やジムナジ
ウムなど内部に入れる建築物も残されています。町の西のアクスレピオンは総合医療施設です。町の中心にはエジプトの神をまつった巨大な赤レ
ンガの寺院が堂々と建ち、両脇のドームの一方は、モスクとして現役で利用されています。


チャナッカレ

エーゲ海に面した港町です。港は大きな半島を臨む入江となっており、エーゲ海を取り巻く交通の要所となっています。

この地は古くから戦乱の舞台になっており、その歴史は伝説の詩人ホメロスに歌われるギリシャ神話トロイ戦争にはじまり、1915年のチャナッカレ戦
争に終わります。チャナッカレ戦争は多くのドラマを生み出し、近代トルコの重要な歴史の一つとして国民の胸に刻まれています。

海岸通りには映画「トロイ」で使われた木馬が展示されています。


イスタンブールウォーキング

2008年の夏より中国から始めた長いシルクロードの旅は、半年の歳月を経てこの街で一里塚を迎えました。ここは一言で表せない魅力に満ちあふ
れた街です。こんな街はわたしの知る限り、世界に類を見ません。

世界の歴史に名だたる各国・各大陸の文化の交錯点です。欧州の香りが漂うアジア文化の根底にイスラム基盤が敷かれ、ギリシャローマの豊穣
がちりばめられています。世界の中心となった文化が混じり合った、世界の中心の街、それがイスタンブールです。

現在はモダンイスラムで宗教的な制限は少なく、イスラム国家の中では女性でも自由に旅行をすることができます。一日目よりも二日目、二日目よ
りも三日目と魅力がどんどん掘り下がっていく街でした。主要な観光スポットはあまりに多いため、別途まとめ、こちらでは町の様子などを写真でお
伝えしています。


イスタンブールツーリズム

この街に影響を及ぼした文化たちは、人類史上の中でしばしば世界の中心になりました。バビロン、メソポタミア、ヒッタイトなどの古代文明。ペルシ
ャとエジプトの世界決戦。エーゲ海に広がったギリシャローマそしてビザンティン帝国の興り。イスラム化と遊牧系騎馬民族の台頭、セルジューク、
オスマン帝国…。どれも一度は耳にしたことがある文明ではないでしょうか。欧州大陸、アフリカ大陸、アジア大陸、アラビア半島…、アメリカ以外の
ほぼすべての文化圏が網羅されています。

イスタンブールは長い歴史の中でこれらの文化の中心となり、そして交差点となって今にいたる世界遺産の都市です。ひととおり見て回るだけで、
毎日休まず観光をしても3日は欲しいところです。

管理人の「観光」に要した日数は6日間でした。ここではダイジェストで、おもな見どころをお伝えしています。


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